1967年のイスラエルとオバマ発言

オバマ大統領が、第三次中東戦争当時、つまり1967年時点の国境線をベースとして  イスラエルとパレスチナが交渉再開をする様に呼びかけた。もっとも、1967年の国境に戻れと言っているのでは無いのだから歴代の大統領の立場と大きく変わるものでは無い。但し、1967年の国境線という概念をはじめて表に出したこと自体が立派な決断だと評価したい。ビンラディンを殺害したからこそ政治的に可能になったものでもあるだろう。

前回の大統領選挙でオバマはユダヤ系国民の78%の得票を集めた。次回は大丈夫なのかと心配になったが、ユダヤ系国民の反応はそれ程悪く無いようだ。

“The World is Flat”の著作で有名なトーマスフリードマンが、30年ほど前に(彼のデビュー作だったと思う)“From Beirut to Jerusalem”と言う抜群に参考になる著書の中で1967年当時のユダヤ系米国人のイスラエルに対する思いを述べていたのを想い出した。1967年まではイスラエルは彼らの希望の星であり、その国がナチス政権下のホロコーストの再現として滅ばされてはいけないと正に全世界のユダヤ人が心をひとつにしていた。ところが1967年以降はイスラエルが国土の倍以上の土地を占領し、多くのパレスチナ人を支配する立場になってしまった時に、彼らの気持ちも一様では無くなってしまった。今までは外からの圧制に対して戦ってきたのだが、今度は自分たち自身が圧制者の立場にもなってしまったのである。

従い、今回のオバマの決断がユダヤ系米国人から概ね好感を持って迎えられたとしても不思議では無い。もっとも1967年の国境線からどれだけのプラスアルファを勝ち取るべきかについては、彼らの人数と同じ数の意見があり、合意が成立するとはとても思えない。彼らが、個性が強くて主張が強すぎる人達であるのは、私もニューヨークの生活で十分に経験済みである。(本当に面白い人達だった。)

オバマがかかる勇気ある発言をしたのは今回が初めてではない。1953年、イランの反民主主義クーデタにCIAが関与していたことを認めたのも彼が最初であった。オバマ在任中に原爆による日本人虐殺についての謝罪を期待するのは贅沢すぎる望みであろうか。

この記事へのコメント

Zero
2011年05月25日 00:12
原爆についての謝罪は、オバマさんを逃すと、難しいかもしれませんね。確かにチャンスですね。しかし、当然日本側からの何らかの働きかけがなければ、それが実現することもないでしょうね。
y浦野
2011年05月25日 22:05
政治的に考えると慎重に働きかけなければいけないでしょうね。違うところで米国に謝るとか。(真珠湾は謝りたくないですが。)でも自国民を反日とかいう人が米国に対して文句を言わないのはおかしいですね。。。

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