ブラック企業問題の本質

ブラック企業の存在が随分大きな問題として大きく取り上げられているが、どうもほとんどの議論が本質からはずれているように思える。 確かに彼らは困った存在ではあるが、そんなに悪い企業ならばさっさと辞めて、もっと良い企業に就職すれば良いではないか? と言ったところで、日本では、それができないから問題なのである。 欧米にはこの様な問題は存在しない。 そんな企業には誰も就職しないから。
 
つまり、かかる悪い企業が栄えてしまう日本のシステムに原因があるのであって、その本質を正さないと、問題は永久に解決しない。 雇用の流動性が極端に低いので、会社を辞めたくてもやめられない。 未だに多くの人々が、随分前に賞味期限の切れた終身雇用の滅私奉公的な倫理観から自由になっていないからである。

この現実を利用して多くの新興企業が既存の大企業のシェアを奪って成長してきた。終身雇用を前提としている伝統的大企業は業績が余程悪くならないとリストラができない、正社員の数を増やせないので、優秀な社員を外部から採用することもできない。優秀な人々は、より良い条件の就職先を探したくても、他の大企業へ就職することが出来ない。一方、ダメ社員は高い給料をもらい雇用も保証されている。かかる状況なのでブラック企業が多少評判が悪くても常に、希望者が集まる。一方、大企業は高い人件費が邪魔をしてパナソニックがサムソンに惨敗したように国際競争力を失っていくのである。

一時マスコミに大きく取り上げられた過労死問題も根は同じである。 疲労困憊の人々は辞めたくても辞められなかったのである。 あるいは古い倫理観から自由になれなかったのである。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック