NY TImesの安倍首相批判

日本のマスコミは記者クラブという致命的な欠陥を抱えてはいるが、読売新聞においても又朝日新聞においても大半の記者は健康な職業倫理を持っている良心的な人達であると信じたい。

しかしながら日本の新聞の海外報道を伝える記事には誤りが多いことも確かである。これが記者の質の問題だけではなさそうなのが辛いところである。(30年前には、朝日新聞の
文化大革命を礼賛する記事はひどかったが、最近は保守系の新聞がひどい。)

民主党発足時の読売新聞のNew York Timesの報道に関する捏造記事  あるいは鳩山首相が愚か(Loopy)であるとWashington Postが報じたという産経の報道(実際にはWashington Postの意見では無く保守系のエッセイストによるコメント=これに対して時の官房長官が抗議したという愚かなおまけまでついた。)等のお粗末な報道があった。これらも一部の経験不足な記者による間違いと信じたいところである。 

ところが1月の初めにNew York Timesが、安倍首相の第二次世界大戦時の河野談話や慰安婦問題についての姿勢を、“Shameful”と口を極めて批判したことについては、読売も産経もあまり大きく取り上げなかった。 これはエッセイイストの意見表明では無くNew York TimesのEditorial(社説)である。これは驚くべきことであり、米国の一流新聞が日本の首相をかかる激しい表現で批判したのは恐らく戦後初めての事では無いだろうか? 所謂米国追従保守派が黙っていて良いことでは無い。

私は安倍首相の日本の戦争責任に対する考え方を全く評価していない(誤解を避ける為にいうと彼の祖父である岸元首相には同情的である。)が、 安倍内閣は(自分の考えが正しいと信じているのであれば)、New York Timesの記事に対して堂々と反論すべきである。New York Timesは田舎新聞では無い。世界中に極めて大きな影響力を持つ新聞である。最も悪いことは、ネット右翼のNY Timesに対する誹謗中傷に任せて、自らは沈黙を守ることである。

New York TimesのEditorialは,彼の発言が何故Shamefulなのかも説明しおらず説得力のあるものではない。読売新聞等の安倍首相の姿勢を支持している新聞は、堂々と且つ論理的にNew York Timesの社説に対して反論すべきである。尖閣問題では遅ればせながら日本政府は米国における広報の重要性に気がついたが、この問題については何もしていない。これでは不戦敗に終わるだけであり、日本の評判を一層悪くするばかりではないか。

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